iwamotの非技術日記(映画、音楽等)(アーカイブ)

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『デッド・キャット・バウンス』を観た

「にしすがも創造舎」で公演『デッド・キャット・バウンス』を観てきました。公演の内容は、オフィシャルの作品説明の言葉を借りれば「株式市場パフォーマンス」です。

90分間の公演中、観客から払われたチケット料金は、E−証券取引口座を通じて次々とロンドン証券取引所に投資される。1公演につき、1%の利益を出すことが目標。目標を果たした場合は利益を観客と山分けする(もともとは彼らのお金なのだから利潤の配当ということになる)。逆に目標を果たせなかった場合は、この失態に悪態をつきながら観客を空腹のまま帰らせてしまうことになる。

本日の取引結果は、残念ながら10.54ポンド(約1500円)の損失でした。とはいえ悪態をつくような気分にさせられることはなく、ロンドン市場で展開されるリアルタイム取引を目の当たりに見られて、よい経験になりました。

あえて注文をつけるとすれば、ときおり差し込まれるインタビュー映像や寸劇は一切いらないのではないでしょうか。ロンドン市場での取引それ自体がエキサイティングなので、どういう意図でどの会社の株をどれだけ売買するのか丁寧に説明するだけで充分だったのではないかと思います。たとえば「水道会社の株の始値が前日終値から跳ね上がっているのは、ロンドン市の水道料金が今後5年間高値で固定されるというニュースが流れたからだ」という解説はそれだけで興味深いものでした。

観客の多数決の結果、その水道会社の株を買ったものの、後は当該銘柄の取引が停滞してしまいました。寄り付き(取引開始)時刻から2時間以上が経っているため、そうなるのも当然だと思います。かといって公演の開始時刻を早めるのは、仕事帰りの観客が開演に間に合わなくなってしまうので無理でしょうし、「日本は祝日、英国は平日、ロンドン市場の開く日本時間の17時に開始」という日程が理想的なのかもしれません。

役者と観客が一体となって現実世界に関わるというのが『デッド・キャット・バウンス』の最大の魅力だと思います。妄想を膨らませれば、役者の一人を築地の魚市場に行かせておき、舞台上の役者と観客が指図してネタを買わせ、最終的には寿司が食える公演なんかも面白そうです。

『デッド・キャット・バウンス』は明日が最終日です。お時間のある方は、行かれてみてはいかがでしょうか。当日券があるかどうかは調べていませんが。

追記(2009-11-27)

書くの忘れてました。この公演を観る前に、池袋PARCOにあるNIPPON BISTRO Denで早めのディナーをいただいたのですが、接客・料理とも最高でした。ティータイムが17時まで、ディナーはその後からなので、店内が片付くまで遠慮して少し待ちましたが、待って正解でした。

池袋に行く機会が少ないので、次は系列店のDEN AQUAROOM SHINJUKUに行こうと思っています。