「安藤裕子 LIVE 2009 "THE BEST"」を観た

東京国際フォーラム・ホールAで「安藤裕子 LIVE 2009 "THE BEST"」を観た。一番印象に残ったのは開演前のアナウンスで、「こちらのマイクでいいんですか？　ええと」などと、えらくテンポの遅い口調の女性が担当しているなと思ったら、「山口もえです」と自己紹介した。安藤裕子と親交のある、清水ミチコの仕業だった。その後、桃井かおり、デヴィ夫人、田中真紀子、黒柳徹子で会場内でのルールを読み上げたので、観客からは笑いと拍手が起こった。これだけでも行った甲斐があった。

ライブは、アンコール前の「聖者の行進」と、アンコール1曲目の「水色の調べ」が気に入った。「聖者の行進」の終わりの部分は、7小節のコード進行が延々と繰り返されるのだが、その辺りは、安藤裕子がボーカルとしてたまたま参加しているバンドの音みたいに感じられた。そのループだけ1時間でも聴き続けたいぐらいだ（そんなことを思ったのは俺一人だろうけれど）。「水色の調べ」は、彼女には珍しいキャッチーな曲で、こういう曲をもっと歌ってほしいのだが、これを作曲した宮川弾が最近は安藤裕子に曲を書かないので寂しい。

ベースはリトル・クリーチャーズの鈴木正人だった。イカ天の頃からセンスのよいバンド、ベーシストだと思っていたが、今日の演奏も素晴らしかった。音数が多いのに歌をじゃましないのは、やはりセンスがよいからだろう。