T・ジョイ大泉で映画『コクリコ坂から』と『大鹿村騒動記』を観た。こじつけたいわけではないが、両者とも殺人や大事故といったいかにもドラマティックな題材ではなく、恋や老いといった日常の延長線上にあるできごとがテーマになっている。それが心地よかった。
裏返せば、われわれの日常だってそれなりにドラマティックだということだ。波乱万丈ではなくとも、映画の1本や2本は撮れそうな恋心やらトラブルやらには知らず知らずのうちに出会っているはずなのだ。そんな単純な事実に気づけただけでも、はしごして観た甲斐があったと思う。