iwamotの非技術日記(映画、音楽等)(アーカイブ)

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MAGMA「The Last Seven Minutes」

録画していた6月28日放送分の「題名のない音楽会」を観た。山下洋輔トリオとタモリトークが聞きたかったのだ。山下洋輔タモリの出会いの話は何度聞いてもおもしろい。

私はフリージャズが苦手で、トリオが1曲目に演奏した「キアズマ」を聴いても、凄まじいパッションこそ感じたものの、音楽的な感動は覚えなかった。思うに、ジャズに限らず即興的な音楽は、演奏者にとっては楽しいのだろうが、聴き手にとっては退屈な時間となることが多いのではないか。聴き手が演奏家であれば別なのかもしれないが、私は演奏家ではないから知らない。

「キアズマ」のファンで「キアズマが好き」と題した曲まで発表している金澤美也子がゲストで登場し、トリオと合同で「キアズマ+キアズマが好き 合体バージョン」を演奏した。これも前半は退屈だったのだが、後半、おそらく「キアズマが好き」のテーマがメインとなってからは、もはやジャズではなく私好みのプログレで、少なからず興奮させられた。特に金澤がキーボードを弾きながら、奇妙な顔で奇妙な声を発する部分では、フランスのプログレバンド・MAGMAのことを想起した。

私はMAGMAのアルバムを1枚か2枚もっているだけで、良いファンではないのだが、アルバム『Attahk』の冒頭を飾る「The Last Seven Minutes」を聴くと、異様なまでの感動を覚えずにはいられない。

どのような意味が「The Last Seven Minutes」というタイトルに込められているのか知らないが、この曲によってもたらされる焦燥感、そしてその先に感じられる不思議な幸福感は、滅亡直前の7分間に人類が感じる感情と同じなのではないか、などといつも思う。

金澤美也子について調べたら、なんのことはない、MAGMAの影響色が濃いバンド・高円寺百景の元メンバーであった。