《第90回紀伊國屋サザンセミナー》「危機の思想」(2011-08-28)
紀伊國屋サザンシアターで《第90回紀伊國屋サザンセミナー》「危機の思想」を聴いた。テレビ番組『西部邁ゼミナール』で見かける人たちを生で観たかったのと、著者9人のサイン入り『危機の思想』が欲しかったからだ。
第2部のシンポジウムで聴いた東谷暁と中野剛志の話がおもしろかった。
東谷さんの話。「今回の原発事故を人災とみなす人にかぎって原発廃止を訴える。逆に、天災とみなす人が原発維持を唱える。これは矛盾している。人災であれば何らかの対策が打てるのだから、原発を維持できるはずではないか。天災ならば手の打ちようがないのだから、廃止せざるをえないではないか」
中野さんの話。「財政赤字だ、少子高齢化だ、これからはグローバル化の時代だ、外に目を向けなければならない、と主張していた人たちは、東北を復興させる気なんか最初からないだろう。正直に言えよ。もともと少子高齢化が進んでいた土地にカネを使うなんて、従来の主張とぜんぜん違うではないか」「原発が安全だと騙されていた?嘘つけよ。安全なものなら福島に作るわけがないし、巨額の補助金が下りるわけもないし、現地では避難訓練だって行われていた。もともと危険なものだって知っていたんだろう?正直に言えよ」
西部邁が亡くなったら日本はどうなってしまうのだろうと勝手に心配していたが、東谷さんや中野さんがいれば少しは安心できる気がする。